子どもの進学や住宅の購入など、ライフイベントには資金が必要です。お金に関する不安を少しでも減らしたいのであればFPに相談するのがおすすめです。
しかしながら、世の中にはFPを名乗って仕事をしている人が多数存在するため、誰に相談すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
相談するFPを選び間違えると、ライフイベントに必要な資金を準備できないどころか、損失を被ってしまう恐れがあります。そこで本記事では、失敗しないFPの選び方を分かりやすく解説します。
目次
FP(ファイナンシャルプランナー)とは?
「子どもを大学に進学させてあげたい」「5年後に住宅を購入したい」など、ライフイベントにおいて希望を実現するためには資金が必要です。人生における夢や目標を達成するための資金計画を立てることを「ファイナンシャル・プランニング」といいます。
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、不動産や保険、税金、法律など幅広い知識を用いて、相談者の夢や目標が実現するようにサポートしてくれるお金の専門家です。
FPに相談可能な分野は「保険の見直し」「家計の収支改善」「3大資金(教育資金・住宅購入資金・老後資金)の資金計画」など、多岐にわたります。
ただし税務相談や法律相談などは、FPの業務範囲外です。税務相談や法律相談も希望する場合は、税理士や弁護士などの専門資格者とコネクションがあるか、FPに聞いてみると良いでしょう。
失敗しないFPの選び方
FPほど、知識や実力に差がある職業はありません。そこで相談を依頼するFPを探す際は、以下の点を確認すると良いでしょう。
- 保有する資格
- 得意分野や相談実績
- 相談料と相談の範囲
なおFP探しを始める前に、相談したい内容や解決したい悩みを書き出しておくことが大切です。 「子どもを私立大学に進学させられるだけの資金が貯められるか不安だ」「老後資金の準備方法を知りたい」 などをメモにまとめたうえで、FPを探しましょう。
1.保有する資格を確認する
FPとして働く人の多くが「ファイナンシャルプランニング技能士(FP技能士)を取得しています。しかしFP技能士の資格を持っていなくても、FPと名乗って働けます。なぜならFP技能士は「業務独占資格」ではないためです。 業務独占資格とは、医師や弁護士など、保有していなければ業務に従事できない資格のことをいいます。FPとして働く際は、FP技能士の取得が必須ではないため、相談する前に保有する資格を確認しましょう。
FP技能士には、国家検定である「1〜3級」と、日本FP協会が認定している「AFP・CFP」があります。FPとして働く人は、FP技能士の1級または2級に加えて、AFPとCFPのどちらかを保有している傾向にあります。
特に上位資格である「FP技能士1級」や「CFP」を取得しているFPは、知識が豊富であり信頼できる可能性が高いです。
2.得意分野や相談実績を確認する
FPによって、得意とする分野が異なります。相続や事業承継に強いFPもいれば、不動産に明るいFPや、保険に詳しいFPもいるのです。
相談するFPを探す際は、ご自身が相談しようと考えている分野を得意としているFPを探しましょう。例えば保険の見直しを検討している場合は、保険相談に強いFPを、住宅の購入を考えている方は、不動産に詳しいFPを探します。
またFPの保有する資格を確認すると、得意な分野が判断しやすいです。例えば、宅地建物取引士(宅建士)を取得しているFPは、不動産に詳しいと考えられます。証券外務員を取得しているFPは、資産形成や資産運用の知識に明るいでしょう。
3.相談料と相談の範囲を確認する
FPを探す際は、相談料の有無や金額、相談できる範囲を必ず確認しましょう。相談が無料であるFPもいれば、「1時間あたり〇〇円」「月額〇〇円」など、有料にしているFPもいるためです。
無料相談をしているFPは、銀行や保険会社など、企業に所属しているケースが多いです。保険や投資信託などの金融商品を販売して手数料を得ているため、相談料は無料としています。
一方で有料相談のFPは、基本的に独立系FPです。またヒアリングに徹するために初回の相談のみを無料としているFPや、ライフプランニングやキャッシュフロー表の作成を有料にしているFPもいます。
FPによって料金体系は、さまざまです。「ライフプランニング表の作成が有料だなんて知らなかった」「無料なのは初回だけだったなんて」と後悔しないためにも、初回の面談時に料金体系を確認しておきましょう。
自分に合ったFPの探し方
FPを探す際は、事前にホームページを閲覧すると良いでしょう。また提案内容に納得できない場合は、他のFPに相談する方法があります。
ホームページを確認する
ホームページには、サービスの特徴や料金体系、在籍するFPと保有資格などがまとめられているため、FPを探す際に確認すべきポイントを短時間でチェックできます。相談を依頼する前に、FP事務所のホームページを一読しておきましょう。
またFPによっては、ホームページ内でコラムを執筆してお金に関する有益な情報を発信している場合があります。コラムを読むことで、FPの知識や考えを知る手がかりとなるはずです。
他にもFacebookやTwitter、インスタグラムなど、SNSで発信されている内容を確認する方法もあります。
提案内容に納得できない場合は別のFPに相談する
相談をしたものの提案内容に納得できなかった場合や、信頼できるFPか疑わしい場合は、別のFPと相談すると良いでしょう。
例えば、あなたがマイホームの購入を検討しているとしましょう。「あなたの年収ではマイホームを購入するのは難しいです」と言うFPもいれば「このようにすればマイホームを購入できます」と具体的な解決策を提案してくれるFPもいるのです。
大病を患っていないか不安である場合、複数の医者に相談してセカンドオピニオンやサードオピニオンを求める場合があります。お金の相談をする際も、複数のFPと面談してさまざまな意見を聞くと、より納得できる答えが見つかりやすくなります。
こんなFPに相談すると危険!
では面談をしたFPにどのような懸念がある場合、セカンドオピニオンやサードオピニオンを求めたほうが良いのでしょうか?ここでは、相談するのが危険なFPの特徴を3つ解説します。
- 最新の情報を把握していない
- 顧客の意向を無視して金融商品をすすめてくる
- 断定的な発言をする
1.最新の情報を把握していない
法律や社会保障制度、税制などは、定期的に内容が変更されます。また保険や投資信託などの商品内容や住宅の価格相場など、お金に関する情報は変化が激しいものです。最新の情報を知らないFPに相談すると、効果的なアドバイスは得られません。
優秀なFPは、常に情報を収集して知識をアップデートしています。相談者に伝えた情報に誤りがあると、相談者が損失を被る恐れがあるためです。
FPと面談する際は、最新の情報に詳しいかどうかを観察することが大切です。社会保障制度や金融商品など、相談内容に関する分野の情報をご自身でも少しでも良いので集めることで、FPが最新情報を把握しているか判断するための手がかりとなるでしょう。
2.顧客の意向を無視して金融商品をすすめてくる
FPの中には、保険や投資信託の販売手数料を得るために、お客さまの意向を無視して金融商品を販売しょうとする人がいます。
金融商品の販売自体は、悪いものではありません。お客さまに役立つものや、お客さまの人生において不可欠であると考えられるものは、積極的に提案する必要があるでしょう。
しかし提案された金融商品が、相談者にとって本来不要なものであれば、無駄に支出が増えたりリスクを抱えたりすることになります。
相談者の意向を無視して特定の金融商品を勧誘するFPは、自身の利益ばかりを考えている恐れがあるため、提案内容を受け入れないほうが良いといえます。
3.断定的な発言をする
金融商品を勧誘する際に、断定的な表現を用いることは、金融商品取引法で禁じられています。「この投資信託を購入すると必ず資産が増えます」「この保険に加入すると絶対に得をします」など、断定的な表現をするFPは信頼しないほうが良いでしょう。
また「健康保険があるから民間の医療保険は不要」「貯蓄型保険よりも投資信託のほうが有利」など、自身の考えを押し付けてくるFPも信頼できないと考えられます。
優良なFPほど「最後に決めるのは相談者である」と理解しているため、中立的なアドバイスを常に心がけています。断定的な表現や主観的な意見で、相談者を誘導しようとするFPは、自分自身の利益しか考えていない可能性が高いです。
まとめ
FPは、金融や社会保障制度、法律、税金など、お金に関する幅広い知識を有しています。一方でFPによって知識や技量に、大きな差があります。事前に相談内容を書き出したうえで、保有資格や得意分野、相談料金などを確認し、依頼するFPを探すと良いでしょう。
弊社には、家計の見直しや資金計画など、さまざまな分野に強みを持ったFPが在籍しています。これからFPに相談しようと考えている方も、セカンドオピニオンやサードオピニオンを聞いてみたい方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。